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2012年6月28日 (木)

店舗の売り上げが悪いといわれ

オリンピックを控えて店舗から悲鳴が上がっている。
うちはお店を減らしたり、新作が出ていたのであまり気づかなかったのだけど、
ほかのメーカーさんは結構大変になっているらしい。

業界最大手というメーカーも必死でぶら下がっていた制作さんを春先に一気に足きりしたらしく、
無職になった制作さんたちも阿鼻叫喚の様相らしいのだけど、
春から10年も連絡ひとつなかった人からいろんな電話が頻繁にかかってきたり、
知らないプロダクションの飛び込み営業が急に増えたのは
こういう事情があったというわけだ。
お店でも言われたし、問屋さんにも言われたので、いろいろ聞いていて共通点があるのに気づいた。
一様に店頭周りのお客さんから熱を感じない、という点。
さめた、という観点だと思っていたけど、どうも違うようだ。
しらけた、といったほうがいいかもしれない。

うちはネットも通販もダウンロードも直売も問屋機能も持ってやっているので
俯瞰で見れる部分があります。

まず現実に起こっていることは、店頭の販売が急減して、閉店ペースが
かつてないほど高い(200店舗オーバーペース)

店頭販売実績だけが落ち込んでいる。

ということです。
お店は、ネットに取られた、と思っている。
問屋さんはDMMやAmazonに取られた、と思っている。

どっちも当たっていません。

ネットの売り上げも変わらないか、同様に落ちています。
ダウンロードや月額も大して変わりません。
違法ダウンロードはアップロードサイトのほとんどがFBIにつぶされました。
それを恐れて削除申し立てはいま3日以内に実行されています。
ものすごい勢いで違法コンテンツの削除が始まっています。
残るはトレントだけです。
これも時間の問題でしょう。

もし店頭が取られているなら、他の売り上げがあがっているはずです。
ほかがあがってないので、店頭だけが突出して落ちていると思うのです。


他は変わらず、店頭だけから潮が引くようにお客さんが消えた。

これが事実です。

お店に行ってみても、お店から熱を感じない、という印象があります。
要するにお客さんがしらけている印象です。

以前ここで、価格コムでアダルト扱いのイメビ商品群を検索すると、
1位はすべてDMMさんで、二位以下との価格差が2割、3割開いているため
事実上DMMの独占状態でこれではみんな価格に意味を感じない、という指摘をしたことが
ありましたが
(現在、価格コムのDVDのグラビアから該当のカテゴリーは削除されて、
アダルトの卸が介入しないグラビア商品に絞り込まれているようです)

家電ですらわずかな価格差を価格コムで検索し、さらに週末特売で
店舗限定で価格コム以下の値段でセールするお店が多い上、
それでもお客さんがメーカー価格に正当性を感じず、テレビもビデオも売れずに
デフレが激しくなっている。

なのにアダルトビデオだけ、メーカー+販売+レンタル機能を持った問屋が卸値のような価格で
自社サイトで販売し、店頭での値引きをほとんどできないようにして、
さらにそれがふんだんに予算を投下された異常な話題作で
毎週のようにドバドバ150タイトルほども発売され続けていれば

お客さんは店頭でDVDを探して買うことにもはやなんの意味も感じず、価格というものに
しらけてしまい、中古で手に入れることしか考えなくなってしまうだろう

これを何年も前から訴えていたのですが、いよいよそういう中毒症状がでてきたというサインと
私は説明しています。

問屋直営のAV-NAVIにもアマゾンやDMMがまだメジャーになる前に、
このままではアダルトNGだったグローバルコマースサイトが売り上げ追求のために
アダルトOKにして参入してくるので、口をすっぱくして、NAVI専用の検閲で商品を探してそろえろ、と
いっていました。
ところが某社の検閲基準に合わせるだの、話題作だけ取りたいだの
問屋のメディ倫基準に合わせないと都合が悪い(別会社でまったく関係ない経営なのに!)だの
果てはサイトカラーを昔のようにアングラチックなダークなものにしろ、といったら
何を勘違いしたのか背景色を白から黒に反転させただけという狂っているとしか
思えないゆとりぼけをかまされたのでもうあきれてなにもいわなかったのですが

案の定お客に逃げられて破綻と相成りました。
そらどこで買っても同じものがおいてあって、値下げもロクになく、果てはサイトのデザインが
四角四面の説明だらけ、字も小さく見づらい、
突然のドロップシッピングなど気の向くままいろんなビジネスを突発的にやっていたら
誰も買わなくなるのは当たり前です。

全国の店舗でおきていることも、もし私の読みに同感できる方が多いのだとしたら、
あまりにも長く問屋が卸値に近い値段で独禁レベルのような商売を続けていたのに、
価格コムのように削除もせずむしろ店舗やメーカーが積極的に加担した、というツケが

お客さんの”AV買うなんてドッチラケ”にモロに影響しているのではないかと思うわけです。

売り込みや安売りに必死なのはメーカー、ショップさん、はては女優さんなど
必死なまでに宣伝し、ネットもその宣伝で埋め尽くされるほど大仰なものになっていますが

それに反してお客さんのコメントも殺到することはなく、楽しみです、の一言もないまま
観客のいない売る側集団だけの熱い宣伝だけが拡散されていく。

ソニースタイル、というソニー直営のサイトがありますが、ここでは価格コムのような値段では
買えません。映像機器にしてみたら、大変な割高でオーナーシップも名入れもなく、
ここは事実上オーダーメイドでないと意味のないVAIOの専用通販サイトと化しています。

いまどきPCをつるしで買うのは初心者で、慣れてくるほど自作を気にしなくなり、
ネット用のサブPCやノートを自分好みのパーツに換装する、というのは
むしろ当たり前で、時代の要請です。
ただ初心者は常に現れてくるので、店頭購入の妙味もまだないわけではありません。
主にソニスタでは社会人PCの買い替え需要を受け持っていると思われます。

吊るしで買うしかない、画一的なTVやカメラなどは、どこで買っても一緒です。
なら価格コムをモニタリングしよう、となるわけです。

そこで価格コムのお店はユーザー登録をさせます。
ユーザー登録を必須にすれば、航空券と同じで、その都度最安値のお店で
個人情報をいちいち書いて購入する、というのは慣れてくるほど面倒くさい。
ちょっとの価格差なら、慣れたお店(つぶれる可能性の少ない)
で買おうというわけです。
まさかプレゼントや自分用の高額商品をすべてヤフオクの中古で済まそうという人はいないでしょう?

それがあっても、です。価格コムで見られるモニタリング上の最安値に、
1位から5位ぐらいまではなはだしい差があるのを見たことがありません。
みんな1円、2円単位で送料差ぐらいあればいいほうです。

AVだけが、値引きなしの定価から40%オフ、新作予約35%オフ
(気が向くと25%とかおとなしくなる)まで
価格のコントロールが破壊される状況が起こっています。
期間限定であるかどうかなど関係ありません。

そのモニタリングができる(できた)こと自体、価格を破壊しています。
20%でも25%でもその価格が安ければ、500円下がります。
3000円の10%は300円、20%は600円、25%なら750円です。
消費税10%として考えれば、2200円でなら割安でしょう。
2980円から25%値引きしたら、2235円です。

つまりこの割引は消費税10%に備えたものであるとわかります。
危険が去れば、いつでも変えれるのが率というやつです。

3000円新作の割引が1000円近く、なにかの条件をつければ可能になる時点で、
すでにアダルトDVDの価格に、意味というものがないのです。

それがソニースタイルだとしたら、どうしますか?
ソニースタイルなら3万円の最新デジカメが22000円で予約で購入できる。

それが気まぐれに条件が変わるだけで、実質無限に可能です。

日本中のお店はつぶれてしまいますよね。
お客さんもブランドになんの意味も感じなくなるでしょう。
ただでもいいじゃん、と思うはずです。

それをパナソニックもキャノンももろ手を挙げて大歓迎、
はてはステータスになるんじゃないか、ぜひ売ってくれ、という感じで
ソニスタさん、うちのも卸値でもいいからどんどん売ってください、
3日のお試しレンタルならもう300円でいいっすよ!

と殺到しているのがアダルトDVD市場の状況であります。

ある一極の価格操作にすべてのタイトルが準じる状況が、もう10年近く続いています。

関係各位には申し訳ないのですが、事実なので、きちんと書きます。
私は利害もないぶら下がりの外注制作でもないので。
どこからもお金もらってないのでいつも正直に批判するので嫌がられますが。

ただし最初に2980円新作を実現したメーカーが流通を握れば、
これは究極だろう、と思っていました。
この価格占有権を利用して流通を握り、思い切り値下げをかければもう誰も文句は言えないです。

お店は委託でしか取れないし、ほとんどのメーカーはもう価格に見合う商品を作れない。
2980円を割ると商売の意味はないし、2980円以上だと自転車メーカーにつけ込まれる。
さらに赤字でも何でも莫大な量の資金をつぎ込んでダクションごと丸抱えできる
資金力があれば、もう業界は破滅したも同然です。

常にそれを言っていたのですが、業界ではただのウザイメーカー、とか
後ろ向きにしかものを考えない監督崩れ、にしか思われてなかったので
何も言わなくなりましたが。

うちはお客さんが大事にコレクトしてくれる商品が多いので、
こういうある1流通だけが不当に廉売をする、それでも売り上げが上がれば満足だ、というのは
店舗やお客さんに不義理と思うのでやりたくありません。

直接通販で一部販売していた商品や時期もありますが、
それは大体にして問屋の一方的な商品返却であまった商品が
出てきたり、もう廃盤でお店には置いていない商品なので行っていたのですが
店舗さんもこれを嫌えば買取で発注すればいいだけであり、
委託でしか仕入れができない時点でメーカーには発言力を失っていくのだから
メーカーにしかない商品、要するにお店が売れないからいらない、と判断して
返した商品をメーカーがどう売ろうが関係ないですよね。

ところが現状の新作で主要なメーカーがすべてこれをやったらどうなるか。
ネットでは大幅割引を認める。しかし店頭では割引販売は認めない。

この結論が今、新作DVDの低価格化や店頭で起こっていることではないかと思います。

すでに撮影資金もそこを尽き、知り合いの家をスタジオにしたり、早朝から深夜まで女優が
ボロボロになりながら働きづめで、さらにギャラも安くされて、
それでも企画レベルでは仕事がない、という有様です。
そこへきて大量の外注制作の足きりが起きました。
かつては新型カメラが出たら目を輝かせて買っていた機材スタッフも、
互換性のある格安のHDV、しかも小型カメラばかりをあさっていて、
422だのなんだのわずかなカタログ性能を取り上げては、こちらのほうがいい、悪いと激論をしています。
HDフルスペックの撮影がここで追い込めるかどうかといえば、個人的には?です。

営業しても営業しても名前がある人以外、撮影が決まらない状態になりつつあります。

売れる女の子ばかり大量に新作が出るのはこのためです。
売れなくなるまで土砂降りのように数字のでた女優さんの五月雨新作が
続くと思います。(だから外から見ていると特定の女優や男優だけが毎日のように仕事をしているように見える)

またBDとのクオリティ差もあります。
あの画質差を、DVDと同価格で売るのは実際申し訳ありません。
ちゃんとHD用に撮影すれば、そのクオリティはDVDの比ではないです。

DVDはチョイ見商品をやすくそろえたい、やDVDのサイズでそろえたい、という
需要でなら理解できますが、
いったんBDに慣れたお客さんをDVDにとどめておくのは難しい。
少なくとも同価格では厳しいのでは、と思うわけです。

お店も問屋さんも誰もそんなことはない!絶対にない!といわれてますが。

今のうちの撮影はHD専用になってしまったので、BDとDVDの差がさらに開いています。
お見せできるのは来年になりそうですが、すでにそれを見てしまった制作側としては、
この性能差では大変なことになると思い、去年からDVDを値下げしています。

とはいえ、現状はメーカーもにっちもさっちも行かない状態で、
売れさえすればなんでもいい、委託でしか売れないし棚を作る能力もなくなった
店までいくこともできないし、面倒くさい、
ネットで数字が挙がれば経理上助かるのでもうなんでもいいや

そういう声が現実なんだと思います。

うちもなんでもいいから売れるうちにバカスカ新作出して売っていればよかったのですかね?

ミルキーのこういう考えは前とは変わらないのですけど、いかんせん巨大な雪崩の中で
一人だけ別の方向へ逆らおうとしているようなもので、

波に乗ると巻き込まれ
逆らえば即死
うまく泳いで別の方法を見つけ出す

どれかしかないと思いますが、
お客さん次第というのは変わりません。
いずれにせよ、ソフトウェアを作り出していける限りは、小さくやっていけばなんとかなりそうです。

そんな中、店舗というのは自分でソフトウェアを作り出していけないので、
結局インターネットなだれと正面からぶつかることになります。
巻き込まれないわけにはいかないので、
死なないように必死で浮かんでいるしかありません。

価格コムのように独占的な値下げはおかしい、と言って排除できないと
この状況の改善は最低限無理で、(要するに安く売るなら自分ひとりだけで売ればいいじゃないか)
それが単独でできなければ自分でなにか働きかけをしないといけないし、

そういう組合のようなものはこの業界には存在しないので
販売店というのは普通の業界では当たり前の抗議や申し入れができない。
ガソリンスタンドに近いものがあります。

どころかむしろ土建業界では当たり前の行政を味方につけたような元売の値下げ圧力の
前になすすべもなく、もろ手を挙げて歓迎する。

それでお客さんが来なくなった、と途方にくれても
もっともっと遅まきながらやることがあるんじゃないか、と思うわけです。
ただし一店舗や二店舗がやったところで、どうにもならないでしょう。

どうにもならないけど、だからと言ってこのまま首をくくるのを待つのですか?と問わざるを得ない。

他にも原因があるかもしれない。

そうはいっても、この価格破壊の元凶をなんとかしなければ、
いくら魅力的な商品を出しても、ブルーレイの乗り換え需要がきても、
1年もたたずに同じような状況になってみんな1000円でしか買わなくなってしまうでしょう。

もうひとつ忘れてはいけないことがあります。

消費税が上がり、次回の選挙で民主党が敗退するのは濃厚ですが、
元の状態に戻ってしまうような選挙結果が出れば、
その消費税は以前業界でうわさされていた使い方をされるのではないか、という可能性が
なんとなく、まさになんとなくあることです。
足きりされた制作がまた仕事にありつくかもしれません。
女優に法外なギャラが舞い込んでくるかもしれません。
しかし価格はさらに下がり、値下げ圧力はよりいっそう強まる可能性もあります。

そうなるともはや業界の構造は完全に破壊される可能性があり、
マニアックAVもどうなるかわかりません。

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