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2013年4月30日 (火)

市場を無視したAV論

休み時間に汁王子がしょっちゅうというか、仕事するより真剣な記憶力と
洞察力でAV関係のHPを見ているのだけど、
本人はAVの歴史が知りたくて見ている、という。
私からしたら影響ばかり受けてくだらないので情報だけあればいいと思うのだけど。
彼はちょっとサイケの入ったパンク系批評が好みなので、
どうしてもAV論とやらに惹かれるらしい。
若者が評論にのめりこみだしたらAVも一通りの時代を過ぎたかなとおもう。

90年代の音楽系批評を見てあれこれ聞いていた世代からすると
遠い昔を見るような感じで。
80年代の映画批評も似たようなもんだと思うけど、その後大体成熟しつくして
評論で食えなくなってくるんです。
映画なんかは結構むつかしくて、残念ながらお亡くなりになったが
有名だった某さんの批評はなかなか面白く、ゴッドファーザー3の批評なんかは
青春の残照とかきらめいた言葉で飾られると、学生なんかが幻惑されてしまうのですが
今の映画って、てなると、あまり当時の批評でよいとされた路線に行っているとは思えない。

AV評論だの理論だのはサブカルチャーなのでもっといい加減で、
雑談レベルがいいところです。

ネット時代になってそういうのがあちこちに出始めたり、女優も男優も
ライターなんてことでバイトをやるもんだから、あちこちに生半可な理屈めいた
とんでも論が跋扈してしまう。

雑誌がつぶれていったことで、さらに自称評論家が出てきやすい環境にも
なっております。

結論から言うと、情報を正確に把握できるものを除いて、AVの理論などというもので
市場はもちろん、正確な数字を意識した記事など皆無に等しいわけで、
ほとんどは
こうであってほしい、という願望か
むかしはオレこれだけすごかったんだよ、という自慢回顧。

読む意味も価値も無いものが相当に多い。

何かを読むときに時間を割く価値のあるもの(ためになる順ではない)といえば
1に情報であって
2に予測
3に分析
4に思想でありますが
2以下はしょせん他人の考え方であって、
ファイナンシャルプランナーや銀行のアナリストが株の予測をするのと
同じくらい不正確なものです。
少なくとも彼らの願望にサポートされた相場に行くかどうかは、あなたの張る相場にはまったく関係ない。
あなたはあなた自身の頭で最終的に思考して、いくらで買い、いくらで売るか判断することを求められる。
であるからして、自分が考えたものであるかのように思っても、実は
他人の情報に踊らされている限りでは、なかなかうだつが上がらないのも無理は無い。


サブカル系は相場で損をすることはないですが、高円寺中野下北界隈の若者に
結構影響を与えるので、数字を意識しない評論が幅を利かせてしまう恐れがある。

だから言っておこうかと思いますが、

AVは業界としてはゆがみきった業界で、少なくとも売り上げの数字や市場規模が
現実を反映していない。

その正確性を確認はおろか足で得ることなく、ゆがんだ数字に目をつぶったまま
あれが売れる、これが売れる
と理屈をこね回してもなんの意味も無い。といいたいわけです。

とにかく数学や計算にからきし弱い文系業界の癖に数字を見ない、
現実確認に足を使わないで理屈をこねるのがこの業界の特徴で、
メーカーもジャーナリストに正確な数字を開示するなんてまずしない。
なにしろトリッキーな部分が大きいので。

メーカーの中の営業部門のごく上層しか、実際の数字を把握しているのは
いないのではないかと思います。
さらに広告費や回収人件費を考えて、引き算できるほどのデータを持っている人は
ほとんどいない。

AV業界に限らず、あらゆる業界の基礎は、商品の内容やスタイルではなく、
1から100まで

実際にどれだけ売れたか、どれだけ利益があるか、という数字でしかない。

それが二重三重の中古回転を含めたら水増しになるので、
純粋な数字をいかに正確に把握しているか、が評論の信頼性のベースになる。

その上で、お客さんが何をいくらまで払って見たいのか、という
純粋な購買需要を読めるかどうか。その上に立って、己のジャンルを話さないといけない。

だから、こんなもの売れんのかよ、というようなものが理論だけ大手を振って歩いていたり、
熟女が”売れている”、市場規模は○○億円”だ、それを確認もせず、いきなり熟女大量生産
討ち死にというのが示現します。

ぶっかけもスカもSMもレイプも痴漢もこの繰り返しです。
委託の常態化で完全に数字のバランスも壊れて、粗利計算が正確にできなくなっています。

今までいろんな人と話をしましたが、いったいいくら売れているのか、と聞くと、
どこそこのプロデューサーが○枚と言ってた
スタッフが言ってた
メーカーの人(誰か知らない)が言っていた

それは定価いくらで(私は定価さえわかれば卸と利益率が即座にわかる)
何店舗に撒いて、何ヶ月で何枚売れたのか、を大まかでいいから知りたいのに、
”そそそ、そんなことまでしらねーよ!”と逆切れするだけで、
正確に把握している人は誰もいなかった。

約1万枚売れた、3万枚売れた(大体ふかしの定番は奇数万枚(笑)

と大声で喧伝するのが関の山で、その数字が委託の出荷なのか、
薄利多売の総合売り上げなのか、一ヶ月なのか6ヶ月なのか、
広告費を引いて利益はいくらで、利益率は高いのか低いのか、
メーカーの意地で売り上げ枚数を誇る低価格戦略商品なのか、そうでないのか、

まあこういう販売現場の具体的数字が出てきたのを聞いたことが無い。

うわさで何枚売れた、をベースに、これがいい、あれがいい、あれはだめ、これはだめ
といくら言ったところで無意味だし、
さらにひどいのは、時間軸までめちゃくちゃで、オレのやっていた90年代はこれが売れていたから、
オレのスタイルはいつまでも正しい、こうあるべきなんだ。

それは理屈じゃなく回顧的願望である。

数字はうそをつかないけれど、数字そのものがうそだったら、元も子もないですな。


まして今はイベントの後に累々たる”新作”が”中古”として発売日より早く店頭に
並ぶ有様であるから、正確な数字をつかむことすら難しい時代。

数字を正確に読める能力が、言葉遊びよりよほど求められるでしょう。

逆に言えば、店舗や問屋の数字を把握しながら制作をできる監督は
皆無に近い状態で、たいていは思いつきかヤマカンであれが売れるこれが売れると
やっております。
マーケティングすらまともにやってない。

営業サイドはこんどは数字にばかり踊らされて、コンテンツの分析ができないものだから、
同じコンテンツでも作り方で差が出る、ということを抑えないで
安易に手を染めたり、やめたりする。これも思いつき、ヤマカンとあまり変わらない。

うちの場合は1919円が売れるからやる、というよりMCMG01が異様に売れたので、
出してみたら後は思ったほど売れない、とか
撮りおろし2480円で売れた。あとで計算したら、利益率カチカチで、
仮に今後続けて空振りしたら赤字になる。

DMCは人気だけど、毎月出せる代物ならこんなにファンはつかない。

売れる女優と思ってもつまらない理由で断られた
売れると思って撮ったのに思ったほど売れなかった、
売れない売れないとダクションから頼まれて一回だけ撮った人が異様に売れた

女優代もそれぞれ高低があり、男優で参加されたみなさんはお分かりと思いますが、
100人のギャラというのは女優代を凌駕する場合もあるわけで、
一流女優に金を積んでも受けてくれないザーメンモノは
とにかく絶対数で安く上げるのは難しい。

ジャンルが飽きられたら、本当に好きな人しか作れないくらいつらい制作。

そういう制作経費の現実と、シビアな売り上げとのにらめっこをしないといけない。
まして新規メーカーだと、広告費もかさむし、あまりいいことは無い。

だから、今のように制作費を下げて上澄み利益をセーブするような時代になると、
私なんかは楽しみでやらないと経費ばかり増えて疲れるだけなのです。
だからちんこじる娘の実写版は、もうどうにでもなーれ、なーんにも気使いたくない!
から始まったものです。

そんな中でこうあるべきどうあるべきなんてのは
メーカー監督なら100歩譲っても、どこの馬の骨だかわからない粗利も
計算できないぼんくらの言葉遊びなどどうでもいい話で、
そのときそのときで自分の頭で自分のセンスで、自分のデータでとことんまで経費計算して、
考えて決断した最高のものが撮れればいいわけです。

どうせ出来上がったものを見てお客さんは判断するしかなく、
私ですらできたものをみてああしていたら、こうしていたらと
思って再度改善したら今度は別でうまくいかない部分が出てきた、と
悩んでいるのだから、理想論はその人次第でいかように変わってしまう。

結局、卒意の書のように、あとで振り返ったらいいモノだった、ということしか
ないわけで、作る前にコントロールできないものを、
まして店頭数字もわからないファンの期待もよく数字でつかめない状態で
フィーリングであれこれ語ったものに、価値なんか微塵も無かろう
と思う次第です。

AVのジャンルや制作論などというものは、もし作ったものを売って儲ける、
という立場になるのなら、できるだけ読まないほうが市場の声に耳を傾けたモノができるでしょう。
これは販売現場で自分の手で数字を地道に作ってきた私の考え方です。

そういったものを見るのなら、少なくとも自分の手で販売して数字を作ってきた人の
昔話ではない部分をきちんと見たほうが、実にはなると思います。
まあ、書く人は一様に、<細かい数字はおいといて>われこそは自分の手で数字を作ってきた!
と喧伝するので知らない人に見分けるのは至難の業で、だから読まないほうがいい、となるのですけど。

ガスの高槻監督が、もう何年も村西監督の半生ビデオを撮ってますけど、
あれぐらい粘着しないと、いいものとはなにか、なんて人には伝わらないと思います。

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コメント

まさしく、その通りです。
私も、自分で調べたりした情報や結論でさえ、自信のないものはたくさんあります。
経験ですら、業界での『ごくわずかなサンプル』でしかないから、それを持って『正解』とは断言しません。


同じ様に…監督であれ、営業であれ、ましてや演者やショップ店員でさえ、自分の回りしか見えず…な状況。
誰が『売れる作品』を予測出来るのでしょうか。

おっしゃる通り。
最低でも、他メーカーの営業さんや広報さんは、貴ブログを見て勉強するべきと思っています。


ピントのズレたコメントの様な気がしますが、ご容赦を。

投稿: 梅ちゃん | 2013年4月30日 (火) 21時14分

やらしい話、上代を見て卸やメーカー仕入れが推測できますし、私も不要になったDVDをヤフオクに出品するとき、目安で何掛けで出しますね。
仮に上代5000円で自分にはいくらで入るから、店頭で何%引いても利益があるとか、
メーカーなら注文を受けて10枚通常で売るよりも拡販で20枚を10%値引きをしても利益率と額面を考えたり、別業種ですが末端従業員の自分も見積もりますので、
逆に店舗や作り手が分からないというか知らないほうが驚きです。オカシイです。
1919円を戦略商品とみるか、叩き売りと見るかの違いですね。
掛け率より違うのを掛けるのは大好きなんですが^^;
でも私は食べさせて飲ませるほうがいいですね。

投稿: 白子武蔵 | 2013年5月 2日 (木) 07時37分

実際いくら売れたとしても、赤字になったら意味あるのか?って思います

大手メーカーなんてこれで採算とれんの?ってのが多いし

それだけにちんこじる娘の値段は驚愕でしたw

ワンパインターぐらいの値段が普通って感覚があるので

内容に見合った金額なので当然大満足でしたけど(^-^)b


自分的には好きなものなら多少高くても買っちゃいます


他では見れないですしねw

投稿: 汁。 | 2013年5月 4日 (土) 00時50分

この話題、業界人には大変嫌われる話題ですが、みなさんのように
お客さんや店舗の方の受けがいいです。昔から。
それだけ言ってはいけない事なので、あまり言わないできましたが、もう
呼ばれる現場もないので気が楽なんで、言って見ようかと。

とにかく基本的な数学、語学、経済学、果ては確定申告まで、本当にこれで生きていけるの?という
ぐらい知らない人が多い。確定申告と税務処理は、人によってバラバラです。
みなさんご存知の超有名メーカーですら、ついこないだまで法人でないどころか申告そのものが
されてなくて、指摘されてあわてて有限にした、とかです。

特に数学はひどい。経費計算が、できない。足すばっかり。

汁王子もこないだ領収書の但し書きの件で、ちょっと指摘したらやばい目で見られたといっているから、
知らないほうが得という不思議な社会です。

定価と卸は店舗、問屋の人しか知らないです。
制作経費はメーカーしか知らないです。

この乖離がわかりづらくなるのは当然ですが、販売枚数を極端にわかりづらくしてあるのも
事実です。実売がわかりづらくないと困るメーカーもあるのでしょうが、
私がお世話になった会社はどこもシビアに粗利計算をしていました。
逆に粗利がわからなくなるように仕組みを組むのが当然になっていて
なにかおかしなものがある、と思う所以で、すくなくともまともな商売を
しているとは言いがたい。
そんななかで地道にやっているので、数字のなにがリアルかはよそよりはわかるつもりです。

ちんこじる娘の価格は、なにしろトータルが9時間近くと長い、ということ
連作形式なのでなるべく一本一本買いやすく、それぞれの嗜好にあったものだけ買えるように
(鼻フックみたくないとか云々)
日高さんの入り込み方がどんどんよくなってきているので、リアクションのある限り撮れるので、
この新しいAVの形式、キャラクター芝居をなるべくみなさんに見てもらうこと。
制作費のほとんどが私の自費なので経費はDVDプレスや販促費などで穴埋めできること

そういうことで決めました。

今までにない自由な形式で、なおかつありがちなアートに振ってないので、
AV、として許容できるものだと思っています。

投稿: shiruou | 2013年5月 7日 (火) 02時50分

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