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2013年4月 3日 (水)

売れたら売れるほど怖い

最近はたまにしかなくなったけど、
以前はよくねたみなのかわからないが、売れてるでしょ、とか
お金あるんでしょ、とか言われた。
ほとんどは親しい友人だったのだけど、今は売れないのでまあ疎遠です。

実は、売れるのはとても恐ろしいことなのです。
それをご存じない人に限って、こういうことを言われる。

今でもそうですが、私が一番怖いのは
撮影の前日

売り上げの良かった後

です。

最近は撮影の前日まったく眠れない、ということはさすがになくなりましたが、
未だに寝付けないです。

それゆえに撮影の後は消耗しつくしてしまって、しばらく撮影のことなど考えるのも
いやになります。
それでもうまく行った撮影のときは、数日後に編集にかかったりしますが、
気に入らなかったとか、トラブルが起きたとか、
撮影時に集中しすぎた大物女優などの場合は
数ヶ月~数年にわたって見直しすらできないこともざらです。

撮影した素材すら見たくありません。吐き気が出ます。
それぐらい、うちの撮影はエネルギーを消耗しつくすのです。

そういう意味で、気に入る人とそうでない人の差が激しいのかもしれません。
撮影をあまりしないのは、そういう理由もあります。

もうひとつ、実は売れるのが一番恐ろしいのです。

ここを業界の制作と店舗の方は大きくおおきく勘違いされています。

コンテンツの著作権を持てるものだけがこの意識を共有できるのかもしれません。

売れるという現象そのものに対する認識がうわっつらか、体験したかの差です。

たとえば制作だと、外注制作が100%で著作権を持つことはできないので、
監督した作品がどこそこのメーカーで3万枚売れた!
と未来永劫なにかにつけ喧伝し、自慢します。

3万枚売れようが10万枚売れようが、彼の契約は撮影一本いくらなので
その撮影終了と同時に販売は終わっています。
何万枚売れようがびた一文入ってこないのです。

さらに、この業界の枚数販売が大変不透明で、出荷も売り上げとカウントできるため、
3万枚出荷と3万枚売り上げが同様に伝わることがほとんどです。

営業すら一ヶ月ならともかく、数ヶ月で全体の枚数を正確に把握できることはほぼなくなっていて、
そこからあるタイトルの個別の売り上げを3ヶ月継続的に積算把握することは
ましてやできないといっていいでしょう。
要するに、自分の給料には関係ない数字なので適当につかんでおけ、レベルです。
それが、制作の監督まで行く間に、いろんな人の間を駆け巡って、
結果、たいていはプロデューサというレベルの人から聞くことになります。
プロデューサなんて、売り上げによる給料の反映なんてまったくゼロの上に、
制作をいかに安くたきつけて作らせるかが仕事のような人たちなので、
何倍下駄はかせるか、が稼業の人々です。
それが、男優やADのあいだに落ちてくるまで、数十倍に盛られている場合がほぼ100%になります。

だから、たいていの監督の最高売り上げは、3万~5万枚、または、1タイトル億の売り上げという
大変いい加減な数字になって「ほとんどの場合自己宣伝で」流布されます。
ちょっと販売や流通をかじった人なら、実売はそのせいぜい5割かおおよそ1割程度だろう、
とすぐわかるのですが、メーカーの販売枚数発表ほどあてにならないブラックボックスはないので
まず信用できないといったほうがいいかもしれません。

店舗もそうで、売り上げというのは自己店舗の売り上げで、なかなか全国店舗の
売り上げはわかりません。
数字があがれば、逆算して売れてるな、儲かってるな、と分析するのが
いいところで、メーカー直営のネット通販や複雑な会計処理、または広告費や宣伝費、
ネット工作費やモザイク費など、経費でのマイナスができないところにいます。
1億売れても経費が9000万では、綱渡りです。

その経費を隠したまま推測で売り上げだけ大声で叫ばれたら、メーカーはみんな大富豪に
なってしまいます。

ところが、うちのような著作権から経費まですべてを一括把握するメーカーだと、
タイトルごとの売り上げ推移は完全実売ベースであり、
レンタル用やネット用、陳列用のだまし出荷などないので、手に取るようにわかります。
だから、売り上げが急に上がったとき、怖いんです。

うちは百貨店メーカーでないので、硬い売り上げが堅実に続く傾向があります。
根強いファンをもつメーカーほど、これが強い。
急に減ったり増えたり、なんていうことはそうそうないんです。
ファンが決まっているので。

いつも平均的な売り上げのところに、急に話題が出て売り上げが伸びる。
なんかのハプニングで具が見えたどうこうならわかりやすいのですが、
いつもと同じなのでそれだけ売り上げが伸びると、要注意です。
初めての人、ファン以外の人が多数購入している場合がほとんどです。

こういう人々は2007年以降は、大変熱心な方であると同時に、なにか別のものを
過大に期待している、ミシュラン審査員のような批評家的側面を
持った方が多いのです。

こういう人は作品の内容はもちろん、サービスや通販の発送方法にもいろいろと
自分ルールがあって、評価基準が合わないと遠慮なく拒否します。時にはクレーム電話?が
かかってきたり。
手加減というものがないので、ここまで明確だとこちらとしては参考になる部分もあるのですが、
社員が凡人であったり、自分の作業の都合しか考えていない場合だと、
平気で空気を読めない返事を返したりしてしまいます。
自分ルールに自分ルールを返すのは逆効果であるといっても、やってしまいます。

こういうときにサービスはもちろん、内容になんらかの不満が生じると、
逆に売り上げ減の原因になるのです。

いくら売り上げても、サービスや商品が期待はずれだったら、もう買わないよ、と
なってしまう。
売った分下がったら、意味がないわけですね。

私は長年の経験からこういう性質はわかりますが、社員などはどうしても
短期の売り上げで見てしまいがちで、あがれば喜ぶし、下がれば落ち込む。
あがったときにいそがしいから、手間だから、とうかつに対応したことが、
後の売り上げ減につながるという理屈が非常にわかりづらい。

イベントにしても、なんにしてもそういう「人気の雲」をつかむような部分は店舗やスタッフの大きな課題です。
それも生のファンに接するためイベントをやろう、というひとつの動機でもあります。

私は通販のメールを一瞥するだけでそのお客さんの顔や見た目がどういう方かなんとなく、わかります。
でも普通の人にそれは不可能なわけで、そうなると研修でもなんでも
やらないといけない。
それでも私の理論はなかなか見えないものがあります。
まして外部で売り上げが下がってねたみそねみで頭がいっぱいの人からすると、
売れたらいやみのひとつも言いたいところでしょうが、
残念ながら思うことは逆なわけで。

AV業界はあまりにバブルが急激だったので、そういう商売の質にかまっている
余裕すらなかったのがその理由と思いますが、

今はとにかくAVはどんどん不要になっているのです。
別途交通費使ってネットの回線切ってわざわざ店舗まで行って
画質の劣った”デーブイデー”を買おう!なんて思ってくれる人、
どんどん減っているのです。

ブルーレイすらめんどくさい、という状況下で、未だに売り上げ増の反作用を
理解できないまま、ルーチン商売を続けていたら、やはり未来はくらいと思います。

AVが不要と基本的に思われている環境下で、AVを愉しんでもらう、
またネットで十分だよ、と思われないために、何をするかといえば、
とにかく楽しくなきゃダメなんだと思います。

DVDはモノを言いませんし触ってもくれません。
自分から声を出すだけで、こちらの声は聞いてくれません。

それをメーカーから借りてきてタダ同然で棚に並べるだけで、
売れなくなったらかえせばいーや。そんなメンタルで、
売れることの恐怖が伝わるとは思えない。

売れるほどに、後が怖い。
一見さんにこちらの営業のチェック、商品の事細かなチェックを厳しくされる。
そぐわなかったら(そぐわないことが往々にして多い)
次の売り上げは減が待っている
女優ではずすとさらに落ちる。

この恐怖と戦えるのは著作メーカーだけなのだから、
この恐怖と戦えない限り、素人がメーカーをやることなど夢のまた夢で、
この恐怖を理解できなければ、売り上げをただのお金としか認識できない。
売り上げをただのお金としか認識しないでなにも改善しなければ
斜陽産業はいずれ日没となるでしょう。

時代の流れ、というのは一方向に傾いたらなかなか変えられない物です。

ただほかに選択肢もなく、河岸を変えられず、あがいて日銭を取っていくだけしかできない方も多いと思います。

その判断の一助にしていただければと思います。


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