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2016年4月21日 (木)

火事場泥棒

熊本地震の影響で火事場泥棒の話題が出ているので、
うちに起こった火事場泥棒についても備忘として書いておこうと思う
メーカーは大変なんですよ、という話。

2011.4.11に問屋が一方的に倒産した。
一方的というのは、朝礼が終わって、社員を外に出してカギを閉め、
社長が「うちは今日で潰れます。今月分の給与は振り込んでおいたから」
といって雲隠れしたから、いわゆる”倒産”とは随分見晴らしが違う。

そして売り上げを引き出して逃げてしまったのだが、後で捕まった。
銀行口座には資金もあり、十分な余裕があったので
従っていわゆる業績不振の倒産でなく、計画倒産に近いと思ったほうがいいだろう。
人を馬鹿にしたというか、社会を馬鹿にしたというか、弁護士、会社、法律、倒産と言ったことを
半ばゲーム感覚で遊んでいるようで、700店舗のオーナーやメーカーはあまりの子供っぽさに
驚いたのではないだろうか。(通達FAXを4/11 14:45分あたりに自動セットしていたり)

実はその前から伏線がいくつかあり

1月にライバル会社への情報漏えいの疑いで営業トップを突然解雇した
そのトップに引き抜かれる形で営業がほとんど退職してライバル会社に移った。

その営業トップというのはそれほどデキる、というタイプの人でなく、どちらかというと
太鼓持ちに近い人で、その2年ほど前から問屋さんはDMMのようにメーカーも始めようと
いろいろ試行錯誤していたのだが、社長の人選眼が急に曇り始めたようで

お調子者の太鼓持ちだが実力が全くない

そういう人々がいろいろな部門のトップになって、社内がギスギスしていた。

もちろん制作なんてできるはずもない。

うちに外注出すかという話をされた折にその話をしたのだが

私「いい女優を使えばそれなりに売れますよ。ほとんどDMMに囲われて専属ですからお金だけでは難しいでしょうが」
社長「私が昔作った時は7万円の企画女優で大きな売り上げを上げた。だから女優代は徹底的に削減したい」

こんな調子でさっぱりかみ合わないからこりゃだめだ、と思ってはいたのだが・・・

とまあ、兆しはあちこちに出ていたわけだ。


これは予測できる。

問題はそのあと。


問屋が倒産したというFAXが3時前に来て、入金確認したら入っていない。
やられた、と思ったら
その営業トップがいるライバル会社(E-マーケティングという)の営業(もと問屋の営業)から電話が来て

「イズエンターの販売網は当社が引き継ぐことになりました。埼玉の倉庫に預けてある
商品は当社が管理を引き継いでおります。もし解約引き取りをご希望なら、
倉庫の担当に1枚@円で引き取り依頼できますので依頼してください」

と来た。

引き取り料も何も、もともと問屋がストックしている商品だ。
送料は払っても仕方がないが、なぜ一枚当たり法外な出庫料金を払わねばならないのか?

その担当者もさんざん締め上げられて最後はノイローゼになったようで
要するにライバル会社と昵懇のトカゲのしっぽであった。

うちはもともと商品数を減らしていて、DMC24は初回委託が終わって問屋の倉庫に入って
検品していた途中だったので、幸いにも埼玉の倉庫にあったのはすべて旧作であった。

ちなみにそのためにDMC24の売り上げは入金されていません。
販売もそこで突然終わってしまいました。

従ってワンパインター/DMC24がどのくらいのリアクションがあったのか、
いまいちわからないのはこういうわけです。

問屋が倒産しただけでも大騒ぎなのに、埼玉の倉庫にある商品を知らない会社がいきなり抑えて
契約書も事前の相談もなく、一方的に販路を引き継ぐなんて言うのは
明らかに火事場泥棒だろう。

これ、個人がやったら横領になりえるのだが、会社が倒産会社の後釜に座るというのであれば
実は日本の法律では通ってしまう。
法人というのは、実は個人でやると犯罪になりそうなことでもできてしまう。

震災でバタバタしていろんなことをやろうとしていたがこの時点ですべてご破算となり、
回収と流通の再構成に全力を注がなければいけなくなった。


今もそうだが、問屋の委託がメーカーにとって常態化していて、
メーカーが作るだけ作っても在庫を会社に置いておきたくない、
なので出荷全開で問屋と店舗にばらまく。

店舗は新作と引き換えに旧作を問屋に返品し、問屋は通常それをメーカーに返品するのだが・・・

ところがメーカーは倉庫がないからその返品を受けたがらない
さらにいつまでもだらだら棚に置いておくと売れると思っている、夢見る芸術家が多い(特にフェチ物)

今でも地方の店舗に行くと、売れそうにないフェチDVDがNo1~70くらいまで
通しで棚を占領しているのはこのせいである。

問屋はメーカーからタダで商品借りて、それを店舗にまた貸しして委託料名目で金をもらっている
という負い目があるので、
メーカーが嫌だと言ったらなかなか返せない。
メーカーはさらに先延ばしでずるずるとやる。

店舗がメーカーによく”売れない商品作るな”と文句を言うが、店舗からメーカーに委託料が
入ればかなりましになるだろう。
問題はそれを問屋が黙って中抜きしているから、店舗はメーカーを目の敵にしてしまうわけ。
うちのような零細メーカーはタイトル数が少ないのでそういう交渉もままならない。
だから委託は送料だけで厳しいので断ることのほうが多い。

店舗に置ききれない遠い過去にリリースされたクソ在庫は、結果として問屋の倉庫にだぶつくことになる。
今は業界中のクソ在庫含め、石川のDMMの倉庫に相当滞留していると思うが
レンタル流通など使わないとさばききれない。

そこで問屋(流通倉庫)が消滅したら、その膨大な在庫をメーカーは自社で何とかしなければならないわけ。

メーカーに戻ってくると在庫になるので資産として税金を払わねばならない。
数万枚以上の資産税を払えるフェチでニッチなババアやクソやブス専デブ専M男メーカーなど、ない。

結果的に、その火事場泥棒の条件を飲んで、そのまま販路を盗まれたメーカーが結構ある。

そういうわけで、その時を最後にあくまで今までの委託販売を続けるか、
自社で別の販売方法を模索するか、
が多くのメーカーのその後を分けたと思う。

どっちがいいのか私にはわからないが、少なくとも斜陽業界で取引先を一本に絞ると
危ない、というのが現実のようだ。
大量の在庫を人質に、好き勝手な条件を押し付けられても条件を飲むしかないからだ。

今半分のメーカーがこんな感じ。メーカーよりも店舗が先につぶれているから
メーカーさんの現在の状況ははっきりしない。
メーカーがひっそりとつぶれたら、問屋や店舗はここぞとばかり
だまってその商品を0円で引き取って販売してしまうので。

地震の時の火事場泥棒は確かに困りものだが、
実際は企業同士の巧妙な商品や流通の分捕り合いはさらに汚くて、法律ではどうにもならない。

なのでうちは第三流通や協賛メーカーをまったく信用しないのだけれど
完全独立で行くと今はネットでメーカーが自分で自分の評判をステマする時代、
逆に悪い評判を流布する輩もたくさん湧いてくるので
イメージ戦略が非常に難しい。

ネットでステマ工作をしていないメーカーなんて、今やうちしかないのじゃないだろうか?

それぐらいネットは嘘だらけになってしまった。

まあAV監督や制作は80年代から自称巨匠が当たり前だったので私は驚かないが。

確かに地震はひどいことであるが、落ち着けばかえって復興で需要を喚起するので
5年前のように放射能騒ぎがなければむしろ業績は上がっていく。
だから現実を見つめて、必要な手を打っていけばむしろいい方向に行くと思う。
火事場泥棒やステマをする必要は特にないのでは、と思います。





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