AV業界の不景気構造
日本のAV不景気は、ちょっと特殊です。
レンタル中心のAVというのは不景気業種で、
一回一万以上かかるピンサロ、ヘルス、特にソープが好景気業種
地方にはこういった風俗はあまり整備されてないので、
セルAVの出所がある。
風俗でも個人でも体験不可能なマニアAVは、
こういう風向きにはあまり左右されない。
それがなぜ今回はこうもひどいのか。
以前、製造システムの違いから来るDVD乱発、棚インフレ、新作中心主義、
委託による無料仕入れビジネスの放置問題
を先送りしてきたから今になって噴出しただけだ、
という意味のことを書いたのですが
これと一緒に無修正放置の問題が挙げられます。
大麻の問題とまったく一緒ですね。種を海外通販で買うのは
違法ではない。という理屈。
しかし、大麻とはちょっと状況が違う。
無修正ポルノ、合法であれば数十億のビジネスを手がける
欧米の巨大メーカーが大量参入してもっとおびただしく見れるはずです。
なぜ、参入しないのか?
日本人の無修正というのは、決済会社をみればわかりますが、
雑魚を除けば、ほぼ二社か、三社に集約されます。
以前提携にあったAEBNにしても、他の欧米系のメーカーにしても、
あちらからみれば明らかに黒なので、やらないのです。
現在運営しているCCBILL、DTIカリフォルニア系の無修正配信も、
FBIのオブザーブを気にしている、といっていますが、
2257法案(ポルノ撲滅法)
に沿った事案をどこまで表記しているのか怪しいものが多い。
無修正以外にもいろいろな海賊版サイトがありますが、
まあほとんど商売になっていないので、うちとしてはあまり気にしていません。
海外での訴訟がもっと安価でスピーディになれば、海賊版問題は
収束に向かうでしょう。現在はアメリカ人がアメリカで簡易裁判を
起こすのは、意外と簡単なのですが、日本人がやるには、
至極面倒なので。まあ猶予期限付広告と考えています。
2257というのは何が厳しいかというと、
運営者の情報。住所、氏名、「日中連絡の取れる」電話番号の表記義務
同様の出演者情報。出演者の身分証明入りの写真。
よくアメリカで首に名前を書いた看板ぶら下げている容疑者がいますが、
ああいう風に顔と身分証と同意書を掲げないといけない。
また、ドメインプライバシー、ドメインプロクシも禁止になってしまった。
whoisを叩くと全部見れてしまう。
これでは犯罪者扱いではないか、と2005年に大騒ぎになって、
メーカーが国を相手に裁判を始めて、ドメインプラバシーは
開示可能な限定条件付で継続されているようです。
それ以外は、厳しくなってしまったようですが、
2257の新しいフォーマットに則っていないHPもたくさんあります。
放置したままオバマ政権になったので様子見、といったところでしょうか。
日本はそれほど厳しくないですが、某社が全部そういう取り方を
始めてしまったので、なんとなく同じ風にやろうか、という
雰囲気になってきています。
こういう状況証拠から見るに、無修正放置は
意図的な日本側の都合ではないかとかんぐってしまうのです。
うちもいろんなメーカーさんとお付き合いがあるので、結構
内情には詳しいつもりでしたが、昨今の政権交代の余波か、
なんか業界人の私よりはるかに詳しい方も大勢いらっしゃるようです。
どこまでが本当かわかりませんが、
KCさん、フィールさん、DMMさんの事は事実のことが多いし、
亀山さんというのはお会いしたことは無いんですが
実質の経営者のように恐れられています。
森さんがどうたらこうたらというのは2000年ぐらいから
言われてきたことですし。
代表の島崎さんはいい人ですよ。
VSICには事情があって、うちは入らなかったんですが、
公益法人というのは知らなかった。
あれはシャトルさんが苦心惨憺して作ったAV業界初の
省庁認可をうけた協同組合だったんですが、
そのころから荒井さんという方はおられた気がする。
弁護士の小林先生と間違っているかもしれませんが。
この方もお会いした感じはいい人ですよ。
(いいカモだと思われていたかも知れませんが(笑)
ただこういうからみでXVNなんかが運営されていたのなら、
業界にしてみたら偏向でいい印象はうけないので、
なんとかするべきかもしれません。
異常な安売りと、ただに近いような価格で乱造乱発するのも
セルAVの利益構造から見て委託では絶対に利益を生まない
価格ですから、そのウラに大きなからくりがあると、これも
異常な業界になってしまう。
ただ、現状この「ぬるま湯仕入れ」「バーゲンDVD」に
慣れきったお店やお客さんが多すぎる。
店舗の方から委託で、委託でと二言目には言われるのですが、
メーカーとしては、全国の店舗の自主管理なんてほとんど
信用していないんですよ。
いつ「売れないメーカーリスト」に振り分けられて、棚のスミに
追いやられるかなんてわかりゃしない。
自社商品がきちんとおかれているか、販促はされているか、
欠品はないか、メーカーや問屋が営業部隊を編成して、
毎月のように棚をチェックしないといけない。
本当の「初回ゼロ委託」だと、彼らの給料なんて出やしないのですよ。
POSシステムにしても、棚卸しシステムにしても、店舗情報の
更新にしても、ただではできないわけで、効率を求めたら、
かならず初期投資が必要になる。
お客さんの無責任なリクエストや虐待リクエストが増えたときが
このバーゲンになれた頂点だったかも知れませんが、
みんながぬるま湯に浸って、タダで単体ハードAV当たり前、と考えている。
実はこのエロDVDのバーゲン祭り状態は
政治や規制の都合で作り上げられた一種の温室景気だったとして
売る側、見る側、作る側がこの温室状態に慣れきったまま、
突然彼らの都合で崩壊して温室が壊れたらどうなるのか。
まさに未曾有のAV小売不況が起こるのではないかと思っています。
具体的には
委託頼みの小規模店舗の消滅、
amazonやメーカーのDVD通販一本化
お客さんにとっては低予算作品中心の見たいものが何もない状態
メーカーの海外脱出、海外通販
怖いのは、すでに作る側のはしごが外されて、
撮ることしかできなかった外注監督、一部のメーカーの撮影に
ぶら下がりきっていた大手頼みの男優、制作、
プレス屋、デザイン屋、カメラマン、小規模女優プロダクション
これらが急激な縮小を始めており、1月より撤退、破産、
転職、失職などが増えているところです。
フリーADやメイクもかわいそうなくらい憔悴した人もいます。
バブルの最中ははじけたときのことなんか
だれも想像しないんですが、
業界以外がこうもにぎやかになってくると、
そろそろ考えておいた方がいいかも知れません
逆にもっとひどい温室状態になることも考えられますが。
そうなると失職者は戻れますね。
うちですか?うちは華僑なんで(爆
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