チェルノブイリ放射線記念

ビックカメラにふらっとよったら、モルドバワインというのがセールで売っていた。
大変高額なのだが、トップモデルでもブルゴーニュの特級と変わらない(ブルゴーニュ高杉）ので
面白いので安いやつを買ってきた。
歴史的なうえに手ごろな東欧のワインは昔から飲みたかったのだが、なかなか機会がなかった。
中野坂上のルーマニア料理店に行かないと飲めないのだ。
中野坂上に行くのはいいのだが帰ってくるのが億劫で行ってない。

正直今ワインは買ってない。いや買っているのだがアウトレットか、セールで
古いビンテージが何千円かで出たときしか買わない。
そんな機会は年に3回あるかないかなので買わなくなった（以前は毎月のように案内が来ていたが
仕入れが三倍に上がったのか来なくなった）
買っていたころは2000円とかせいぜい8000円の特級が、今や2000円＞4000円、
8000円＞2万円から3万円になってしまったのでもう買いたくないというわけ。
2万円くらいだったワインは6万から8万。
8年ほど前に作ってる人死んじゃうとえらいことになる、と4万円で接待用に買って
社員と飲んで税理士から怒られたワインは今や（最新ビンテージで）40万円だ。
一部高額になりすぎてもう日本に入ってこないらしい。
原油と一緒で下がるのを待っている状態。

それにもう週一回しか飲まないように我慢しているので。
そんな貴重な機会に恵まれて手元に来たワインをよく見てみよう

生産年：1986年
瓶詰：1997
シリアル：1774
と書いてある。

瓶詰は長くても樽2,3年なので、10年とは随分長い樽熟と思うけれど
1986年4月にチェルノブイリ原発事故があったので、

1986年の秋に収穫されたこのブドウは数日間死の灰をかぶって
放置されていたことになります。
というか基本放置されていたでしょう。
チェルノブイリ原発事故は隠されていたので
その年に隅々まで生産者が知りうるはずがない。

1986年以降のものを王室には出せないとなったのか、よくわかりませんが
なぜかビックカメラで数千円で割引で売っていたという珍しいワインであるが、

福島第一の比ではないくらい放射能のデパート状態である

思うに、ちょうど30年たったからセシウムの長いものの半減期が来たので、
飲んでもいいんじゃない？となったのかもしれない。

モルドバというところはウクライナの隣。
チェルノブイリからはずいぶん遠いと思うけど、灰は降ったということです。

あとアルコールは放射線に強いかもしれない。

飲もうかどうしようか、迷っているが1986年のものは一本しかない。
あとは品切れということで、1987年のものを買ってきた。

1986年のチェルノブイリ記念ということで、飲まずに取っておくべきだろうか？
しかしビンテージに比してものすごく安かった。

最近古いビンテージでも格安で出回るのがたまに出てきて、大変ありがたい。
2001年物とか、今飲むとそれなりにオイシイ。

ちょっと前まで成人式のこの季節になると20年もののワインがたくさん並んだのだが、
今はとんでもない値段ばかりになってしまったので、そういうイベントをやる酒屋自体なくなり、
こういう珍しいものが安く手に入るのはありがたいのです。

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